今回から数回にわたって、本を出したいと思っている人が読んでおくとタメになる本を紹介します。第一弾は『私の岩波物語』 (山本夏彦・著、岩波文庫)です。
著者の山本夏彦氏は随筆家、編集者で、1955年インテリア専門誌『木工界』を創刊(1961年、『室内』と改名)を創刊。世の中の本質を鋭く突くコラム(『週刊新潮に連載された「夏彦の写真コラム」が有名)は数多くのファンを獲得しました。
さて、この『私の岩波物語』ですが、岩波書店を中心に講談社や中央公論社などの版元、朝日新聞などの新聞社、電通、博報堂などの広告代理店、印刷所、製本屋、取次まで、戦前~戦後のマスコミの状況を知ることができます。
この本をおすすめポイントは、「マスコミ人の本音」が分かることです。普段、正義や表現の自由を大言していても、広告スポンサーの都合の悪いことは言わない。プロデューサーやデスクがOKしない意見は最初から出さないなど、マスコミ人の恥部が皮肉を込めて語られています。
本を出すには、出版社に企画を通さなければいけません。そこで相手になるのは編集者です。編集者の本音(心理構造)を知ることは企画を通す第一歩になります。
孫子の兵法に曰く、「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」。読んでみて、絶対に損はしません。「岩波書店による国語破壊」を批判するだけあって、とても読みやすい文章で、それだけでも参考になります。
是非、ご一読を!
